　以前、顧問先の社長さんが阪神淡路大震災後の現地に行ってみて「確かに倒壊したビルはたくさんありましたが、外からはガラス一枚割れていないビルもたくさんありました。マスコミの報道をみると全部の建物が倒壊したように思えたが、決してそんなことはありません。やはり見ると聞くとでは大違いですね。」という話を思い出し、復興する前に一度、被災地をふる里納税するかたわら見てこようと思い立ち平成23年11月27日家人と２人で朝９時に東京発やまびこに乗ったのでした。
　仙台に到着し昼食後レンタカ－で三陸道を走り石巻港に行きました。
　仙台駅から約60分です。確かに一面家の基礎があるだけの廃墟です。
　つまり色のない風景です。バラックで生活している人達もわずかに見られ教科書に載っていた東京大空襲の後の白黒写真を見ているようでした。
　ここにいる人は、レンタカ－やタクシ－、観光バスに乗った観光客ばかりで地元の人はみあたりません。

　特に去年の紅白歌合戦で長渕剛さんが歌った門脇（かどのわき）小学校の砂まみれの教員室、校舎の玄関口に放置されたままの砂だらけのランドセルを見た時は資料館や博物館でのものでない本物の悲劇の断片を見るようで自然と目頭が熱くなりました。

　近くのコンビニで花を買い献花しようと若い女性店員さんに献花するところはないか聞いてみましたがあまり関心がないらしく分からないとのこと・・・
　石巻市は海岸線から　長さ６㎞×奥行1.5㎞　東京ド－ム700個分あたりの区域が被害を受けたように思いました。その後石巻から北上して女川町、距離にして12㎞くらいでしょうか。道は全く問題なくどこまでも走れます。
　女川町までの道のりは特に津波による被災は見られませんでした。
　つまり、被害は点と帯のようです。何でもないところもたくさんあり地震の影響で倒壊した建物は石巻市内にいくつも見受けられましたが、これはどの地域にもあることです。がれきも片づけられており臭いもありませんでした。
　マスコミは艶のあるニュ－スを流します。
　女川町の隣町は、どおもニュ－スソ－スにはならないようです。

　その日は、松島に宿泊しました。
　10年くらい前に行った松島と全く変わっていませんでした。
　翌日、やはり津波で被災した七か浜町にふる里納税しようかと出かけて行きましたが、帰りの新幹線の時間もあり後日寄付することにいたしました。

　やはり自分の目で見てみることは大切なようです。

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