個人の方へ
法人成り
個人事業主、節税改
事例研究
所得税税法上 もくろみ、慣行及び嗜好として負担した支出(家事関連費)と必要経費の範囲について
専有部分の形状、床面積等が契約時のそれと異なったことによる迷惑料の所得の区分
譲渡所得の計算上、相続により取得した借地権の瑕疵について支払った和解金及び弁護士費用について取得原価算入の可否
節税の為の法人成りをするメリットとデメリット
個人事業を、法人化することにより個人事業ではできなかったいくつかの節税をすることができます。
例えば以下のようなものがあります。
1. 給与の一部を「給与所得控除額」として経費に出来る
個人事業主が「法人成り」でその会社の役員になった場合、会社から給与をもらうことで最低年65万円から245万円までの給与所得控除を受けることができます。
2. 退職金を損金とすることができる
法人の場合、会社から代表取締役社長や家族従業員に対し、退職金の支払いが可能で、それが適正額であれば損金に計上できます。
個人事業主の場合、当たり前のことですが自分で自分に退職金を支払うことはできません。
また、個人事業主が家族従業員に退職金を支払ったとしても、同様に必要経費には計上できません。
3. 会社で契約した生命保険料は、その種類と契約内容によっては全額経費となります。
会社が契約者及び支払者となっている生命保険は、 保険の種類と契約内容によっては保険料が全額経費になるものがあります。
個人事業主の場合は、保険料控除できるのは、生命保険料、介護医療保険料と個人年金保険料を合わせて最大12万円までです。
4. 欠損金を9年間繰越すことができる
法人で青色申告をしている場合は、損失を9年間繰越すことができます。
個人事業主で青色申告している場合は、損失の繰越期間は3年間になります。
5. 個人事業では、住まいを兼ねた店舗やオフィスで事業をする方が少なくありません。
自宅兼事務所の個人事業者は、少しでも多く自宅の家賃を事業の経費にできないかと考えますが、課税庁は床面積の割合で自宅と事業の経費算入割合を考えることが多いようです。
しかし、法人化し居住用家屋を社宅として法人契約するなど一定の要件を満たせば(もちろん少額の社宅料支払いは生じますが)家賃は全額必要経費にできます。
自宅を一部事務所として使用していた場合も同じです。事務所部分は法人の家賃となり、かつ自宅部分は社宅として会社に社宅家賃を支払えば良いのです。
6. 会社勤めをしている人には経験があると思いますが、出張の際、実費の交通費や宿泊代とは別に日当というものが支給されたことがあると思います。
これは出張に伴う精神的、肉体的負担に対する対価のようなもので、個人事業主では認められていません。
しかし、法人化し、旅費規程に基づいて日当を支払えば、法人では旅費交通費等として損金となり、受け取った経営者も所得税や住民税、社会保険料も課税されません。
つまり、払った方は経費、もらった方は非課税となる唯一の経費が出張日当です。
7. 消費税の納付が免除される
会社設立後2年間(2期間)は、原則として会社設立時の資本金が1,000万円未満の場合、免税事業者となり消費税の納付が免除されます。
このように個人事業を法人化するとバラ色のメリットがあるように見えますがデメリットもあります。
1. 会社設立時に登記の費用が掛かります
株式会社を設立する場合、最低約30万円から35万円くらいの登記費用がかかります。
税務申告書も所得税の確定申告に比べ複雑になります。
それ以外に会計処理及び法人税申告 ・社会保険や労働保険の手続 ・会社組織に関する手続(登記事項の変更など)の事務処理負担が増加します。
2. 赤字でも法人住民税の均等割がかかります。
法人の場合たとえ決算で赤字でも、法人住民税均等割(最低7万円)の税金がかかります。
3. 社会保険への加入が強制となります。
社会保険、すなわち健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。
その際、保険料を会社は半分負担しなければなりません。また保険料が、国民健康保険と国民年金に比べて高額になります。
保険料は、社員の給与額に応じて決まり、ほぼ比例します。