　ある日の休日、暇だったので事務所で新聞や雑誌のスクラップを整理していたら「元札幌国税局長　逮捕」という見出しの日経新聞の切り抜きが出てきました。
　日付は平成１４年１月１１日です。
　国税ＯＢに多大な影響を与えた人物「浜田　常吉」通称ハマツネ氏の記事だったのでした。

　当時の記事を読み返しその後のことを考えると、現在の国税ＯＢが少々気の毒になります。

　彼が何をしたかと言うと、ずばり「脱税」です。高校卒業後税務署に入り、並々ならぬ努力と気配りそして運と愛嬌があったのでしょう。
　税務署長より偉い国税局長にまで昇進し、平成８年７月に退職、そして税理士開業。逮捕のきっかけは、脱税で摘発された会社の関与をしていたからのようです。
　新聞によると、顧問先はなんと約２００社。
　平成９年から１２年までの４年間で７億４０００万円の所得を隠し、所得税２億５０００万円を脱税したと記事には書いてあります。
　そしてそのお金の一部で世田谷に２億円ほどの自宅を購入していたとのこと。

　国税ＯＢが退職後４年間で７億円以上の所得・・・。
　１年当たり収入は２億円くらいだったのでしょうか。

　常識では考えられません。

　ただこれには一応次のような理由があるようです。
　国家公務員法では、６０歳に達した最初の３月３１日が定年退職日と定められています。
　ただ、その時期国税当局は確定申告による繁忙期であり、主要ポストの人事異動が行われればトラブルが発生することも考えられるので、税務署長などの偉いポストの人は前年７月に退職勧奨を行ってきました。
　そして一般の公務員より９ヶ月前倒しで退職してもらうとなれば、国としてもその期間の収入を補償しなければならなくなります。
　そこで、一定階級以上の人で且つ早期退職者には、退職時に複数の顧問先をあっせんしていました。
　浜田にはそれが異常に集中していたと思われます。

　なぜ今さらこのようなことを事務所便りに書くのか、変に思われる方もいるかもしれません。
　平成８年ころ父の顧問先だった広告代理店にＰ社という会社がありました。
　そこの代表者の方が交替するというので父からＰ社を引き継いだのです。
　その後、特に問題なく関与していましたが、あるときの交際費勘定の中に浜田税理士にお中元の品という仕訳が計上されていました。
　うちにお中元を贈ってこない会社がなんだこりゃ・・・って感じです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

山田修税理士事務所　　川崎市麻生区万福寺1-12-21 ヴィークコート新百合ヶ丘101号

前へ		次へ

川崎市麻生区新百合ヶ丘 山田修税理士事務所

ブログ

令和6年

令和5年

令和4年

令和3年

令和2年

令和1年

平成31年

平成30年

平成29年

平成28年

平成27年

平成26年

平成25年

平成24年

平成23年

平成22年

平成21年

H26年1月 ハマツネ氏

川崎市麻生区新百合ヶ丘　山田修税理士事務所

H26年1月　ハマツネ氏