　先日、家人の墓まいりに福島の会津若松に行く機会があり、せっかくだから一泊しようと“ リステル猫苗代 ”というホテルに宿泊した時のことです。

　ホテルのエントランスをブラブラしていると「双葉町」と正面に白い紙を貼った大型バスが停まり中からビニ－ル袋を２重にした荷物を手に持った人たちが降りてきました。
　何か異常な感じです。
　このホテルは東日本大震災の被災者が宿泊しているとは聞いていましたが・・・
　原発の町の人たちだったようです。

　ご存じのように今回津波で被害をうけた福島第一原子力発電所は双葉町という町と大熊町という町にあり、双葉町には５、６号機、大熊町には１～４号機があります。

　新聞記事など読んで分かったことは､その双葉町は原子力発電所が建設される前は出稼ぎ農家の町でした。税収でどれだけ自治体の財源を賄えるかという指数が着工前の１９６５年は０．２３だったのに対し、１９８０年になると３．７３となっています。ちなみに平成１８年で東京都０．７４、神奈川県１．０７全国ランキング１位の愛知県三好町でも１．７９なのですからどれだけ裕福だったか分かると思います。
　しかし、このような状態は永くは続きません。原発の耐用年数は１５年、固定資産税などの税収は下がる一方、しかし豊かさに慣れた町民はどんどん町に要望をだします。３４ヘクタ－ルを造成して造る総合スポ－ツセンタ－、図書館、道路整備などなど、とうとう平成２年には財政力指数が１．０を割り込んでしまいます。

　つまり東京に出稼ぎに行く代わりに東京への電力の供給地となる取引をし､雇用が増え地方税収入が増大、そしてどこにでもあるようにその税収を箱ものに使って財源赤字が生じ､また原発を造って！！という要望中にこの震災が起きたというところなのでしょう｡
　ホテルのエレベ－タ－に乗る双葉町の人、礼儀正しい人が多くエレベ－タ－を降りる時は「すみません」朝なら「おはようございます」と腰の低い人たちでした。
　でも、まだ他の地域の被災者の人々が体育館にいる時にホテル暮らし・・・　大浴場は入り放題・・・　いい思いを過去にしてきています。
　大変気の毒だと思いますが他の地域に原発の恩恵も受けず、津波で家族を失い途方に暮れている人たくさんいます。

　町や村にもできますが、とりあえず県に納税しその配分を委ねることが一番　“公平”ではないかと考えると・・・。
　ふるさと納税～福島県が対象から外れ、岩手県と宮城県の２県になります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　（平成23年5月29日現在）
　　　　　死者　　　行方不明者　計
福島県　　1583　　　417　　　　2000
宮城県　　9121　　　5212　　　14333
岩手県　　4501　　　2893　　　 7394

　ご承知のとおり一番被害者が多いのは宮城県です。

　今年は宮城県（親戚はいませんが）にふるさと納税させていただこうと思っています。

山田修税理士事務所　　川崎市麻生区万福寺1-12-21 ヴィークコート新百合ヶ丘101号

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