　２月の事務所だよりで、今の日本はデフレである。そんな時に増税するとますます企業や人はお金を使わなくなるので今は増税する時ではないと書きました。
　もちろん今もその考えは変わっていません。
　ただし、２月から少し状況に変化が現れているように思います。
　それは日銀が長期国債を買い入れる資金を１０兆円増額する！
　物価が１％上昇するまで金融緩和を続ける！
　と発表したからです。
　今までの日銀は望ましい物価上昇率の目安は２％以下のプラスで中心は１％と国会答弁みたいに回りくどい言い方をしていました。
　しかし今回は物価上昇率の目途を１％とすると明確にしています。
　現在の日本の物価上昇率はマイナス０．１％です。
　これを１％まで上げる為、長期国債の買入れ資金を５５兆から６５兆円（国債の発行残高は７２７兆円ですから実に全体の９％）まで増額して対応すると発表したのです。

　2月14日に発表したので日銀バレンタインと呼ばれています。
　当日１＄ 78円だった為替相場が2月27日には一時 81円（ 4月4日現在82円68銭）になっています。
　これは日銀が大量の国債を金融機関から買取る　→ 市場に大量の円で出回る → 円の価額が下がる → 円安になるという連想から生じたものと思われます。
　円安になるとどうなるか。当然輸出企業に為替差益が生じます。
　日経平均株価も2月14日に52円上昇 9,052円となり3月30日現在10,083円（111％）上昇しています。
　去年は東日本大震災，タイの洪水，ユ－ロ危機とこれでもかこれでもかと大殺界に入ったように災害が続きました。
　しかし円安 → 株高という状況になってきており少し景気に明るさが見えはじめています。

　その上岩手，福島，岩城 3県の復興需要は３０兆と言われています。
　今年の4月2日の日経の一面はこんな記事になっております。
　日本経済は昨秋以降の停滞を抜け、緩やかに回復し始めた。
　東日本大震災からの復興事業が内需を支え、米景気の復調や円高の一服で輸出も好転してきた。
　「 1日３万円でも雇えない。」千葉県内で建設会社による大工の奪い合いが起きている。大半が東北の被災地に流れたためだ。日当の相場は倍以上に高騰。地場大手、新日本建設（千葉市）の金鋼一男社長は「下請けに年末までは仕事を受けられないと断られた」とこぼす。
　宮城の求人建設業3倍
　総額１９兆円超の復興予算が動き出し、住宅やインフラ関連を中心に内需のエンジンは回りに始めた。・・・・欧州債務危機，タイの大洪水，一時１ドル＝75円台まで進んだ超円高 ― ―。昨秋、３つの試練に直面し、足踏みした日本経済。グロ－バルに広がる部品供給網の復旧について、国内生産は上向いてきた。・・・・・

　つまり今の日本は円高が一服し株価が上昇東北地方の復興需要により内需が拡大してきたと言えます。
　日銀が金融機関から国債を買取ったため金融機関にお金が逆に大量に供給されています。「借り換えしませんか！！」と最近銀行の担当者に言われたご経験ないでしょうか？
　銀行は国債に代わる収入源を捜しています。
　金利も1パーセント前後と安いようなので借入計画もう一度見返してもいい時期かもしれません。

日銀のチョコがとけないうちに。

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