　変に思ったので、どうしてそのようなものを送るのか経理担当者に尋ねてみたところ、経理担当役員の同級生で時々アドバイスをもらっているとのことでした。
　その後しばらくして予想した通り顧問契約解除の申し出がありました。
　後で聞いた話ですが、無理を言ってハマツネ氏にお願いしたとのこと。

　Ｐ社はハマツネ氏になにを期待したのでしょうか。
　彼が逮捕された正月早々の朝、Ｐ社の役員たちは肝をつぶしたことでしょう。
　ハマツネ氏には懲役１年２ヶ月の実刑判決が下されました。

　その後、月日がたち・・・政権は自民党から民主党へ。
　民主党の政権公約は「官僚の天下り廃止」です。
　減少傾向にあった国税ＯＢへの斡旋もとうとう平成２２年から全くなくなってしまったのでした。
　それは良いことなのでしょうか　悪いことなのでしょうか
　その判断はそれぞれの立場で異なるかもしれません。
　私も国税ＯＢなのでよく分かりますが、昇進組の人はよく働きます。
　連日深夜までのサ－ビス残業。
　上司の理不尽な要求にも笑顔で答え、自分を殺しに殺して、ひたすら螺旋階段の頂上を目指す。

　しかし、努力して手に入れたポストの先は・・・。
　退職後の何の斡旋もなく「はい、お・し・ま・い～」ではお気の毒・・・って気もします。
　しかし、自分の努力で難関と言われる税理士試験に合格し、真面目にコツコツ仕事をしていたら訳がわからぬ内に国税ＯＢにその職域を侵される。
　これも少し理不尽です・・・。

　つまるところ、顧問先が何を求めて何を必要としているのかだと思います。
　私が顧問契約を解除されたということは私よりハマツネ氏の方が優秀で使えると代表者が判断したからに相違ありません。
　ハマツネ氏は２００社近くの顧問先を得られたのですから、私には及びもつかない人脈や経験、知識があったのでしょう。

　ただ残念なことに彼には小学生以下の納税意識しかありませんでした。
　国税局員としては万死に値する行為です。
　　仕事で成功した人の２つの選択
　　１つは知恵を使っての節税
　　１つは売上除外、架空経費の計上
　　後者は知恵のない者が手っ取り早く選択する方法、
しかしそのペナルティはその人の社会的地位に比例する。
　ある経営者の方が言った言葉ですが正にハマツネ氏にぴったり当てはまります。

　既得権にあぐらをかかず、まじめに精進すること。
　ハマツネ氏の脱税はそんなことを思い出させてくれた事件なのでした。

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